18年7月豪雨/国交省、水害リスク情報の伝達検証へ/ハザードマップの周知要請

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国土交通省は西日本地方を中心に大きな被害が発生した2018年7月豪雨を教訓に、住民への水害リスク情報の伝達に関する周知・検証に乗りだす。17日までに洪水・土砂災害の発生予測規模など示したハザードマップの周知を都道府県担当者に要請した。19日には外部有識者とともに、下流域で大きな被害が発生した愛媛県にある野村ダム(西予市)と鹿野川ダム(大洲市)の操作に関する情報伝達を検証する場も設ける。

石井啓一国交相が16日の同省非常災害対策本部会議で指示した。
先行して13日に国交省水管理・国土保全局河川環境課水防企画室長名で都道府県の水防担当部局長に対し、住民に対する洪水ハザードマップの周知徹底を市区町村に促すよう依頼する事務連絡を出した。17日には同省水管理・国土保全局砂防部砂防計画課地震・火山砂防室長名で都道府県の砂防所管部長に対し、住民に対する土砂災害ハザードマップの周知徹底を市区町村に促すよう依頼する事務連絡を出した。
これらの事務連絡を出した背景の一つには、最も被害が拡大した岡山県倉敷市の真備町地区で河川堤防の決壊などによって発生した浸水範囲が、もともと市が作っていたハザードマップの想定とほぼ重なっていた実態がある。

国交省は19日に河川工学を専門とする鈴木幸一愛媛大名誉教授や水文・気象学と防災情報を専門とする森脇亮愛媛大大学院教授を交え、愛媛県にある野村ダムと鹿野川ダムの操作に関する情報伝達を検証する場も設ける。
国交省によると、18年7月豪雨では全国にある同省所管の計558ダムのうち、213ダムが洪水調節を行った。下流域で被害が拡大した野村ダムや鹿野川ダムでもダム管理者が操作規則に従って適切に操作し、自治体などの関係機関に数次にわたる情報提供を行ったというが、「これまでに経験のない異常な豪雨であったことを踏まえ、より効果的なダム操作の技術的考察を目的とする検証の場を設置する」(石井国交相)ことにした。
国交省は18年7月豪雨に伴う住民避難の実態や被害状況の分析を踏まえ、ハード・ソフト両面から水害対策のさらなる充実を図る方針だ。

 

日刊建設工業新聞2018年7月18日

投稿者: 永田